
オープニングで高らかに「a SABU film」を宣言するのだが、こういうのってカーペンターとかもそうだけど、いちいち高らかに宣言しなくても観りゃ判るってば。本編はえーと、『バニシング・ポイント』(どっかの映画雑誌で「BP」って略していたのが阿呆でしたね)で『パルプ・フィクション』で『素晴らしき哉、人生!』で、でも持ってきかたが素晴らしい。
SABU作品というと「β-エンドルフィンを分泌しまくりながら走りまくり」という認識があったが、今回はとりあえず「歩く」だけ。なんかヒマになったもんで街をぶらついているだけの話なのだけれども、こいつ俺じゃん。ニュートラルに見えて実はローギヤな積極性、自分をまったく大切にしない人生に対するユルさ(だからラストの一家団欒が生きてくる)、そして自己主張がないので一切合切台詞がない(あっても映さない)。基本的に「勝手にやってろ」と思っているので、よほど困らないと行動しません。うん、一億円くらいどーでもいー(篠原涼子がアウディ買ってなかったか)。つぅかラストに至るまでヤサを映さないあたりが確信犯だよね、この映画。
あと雑感で、
- 映画は上映100分くらいが僕の適量らしい。これもカーペンターといっしょ。
- やりたいことが頭抜けているもんだからバカ映画にも見える。チャウ・シンチーと同じ資質なのだと思う。
- あ、白川和子。
- 鈴木清順みたいな爺さんになりたい。
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