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徒然草むしり
嘘を! もっと嘘を!


『上を向いて歩こう』がクリスマスソングである理由。
演奏中。
うた歌いとしては、歌詞を読むのは好きです。

『うみ』(林柳波詩)
>>うみはひろいなおおきいな
>>つきが のぼるし ひがしずむ
月が昇るのは東、日が沈むのは西。そんな海はねえよ、可能性があるとしたら宇宙ステーションからの景観ででもあろうか。でもその場合にはいちいち『海」とか言わないよねえ、なんていうツッコミを入れるのも楽しい。

あるいは、

『津軽海峡冬景色』(阿久悠詩)
>>上野発の夜行列車おりた時から
>>青森駅は雪の中
たったの2行で東京から青森まで行っちゃったうえに、一人旅、冬、傷心、歌のテーマが全て入っている。こういう優れたものを読めるのは嬉しい。

僕の弾き語りライブにいらっしゃるとこんな話ばっかりしていますから、つまりMC半分うた半分みたいな感じなので、趣味のあるかたはおいでください。アルカフェでのライブなんかそんなんばっかしですよ。


さて。

以前にNHK紅白歌合戦で『上を向いて歩こう』を、当時震災被害が甚大だった新潟に向けての応援歌として歌ったときには腹が立ちましたね。見捨てられた男の哀しさを歌ったクリスマス・ソングだぞ、これ。

永六輔の詞をみてみよう。

  1. 思い出す春の日
  2. 思い出す夏の日
  3. 思い出す秋の日
  4. 泣きながら歩く
    ひとりぽっちの夜
不遜にして僣越ではあるのを承知で、パラフレーズさせていただく。
  1. 春、君にはカノジョができました。ふたりで五日市あたりの渓谷を散策にいったものさ。
  2. 夏、君にはカノジョがいました。逗子あたりに海水浴にでも行ったね。楽しかったね。
  3. 秋、君にはカノジョがいました。日光に紅葉でも見に出かけたね。ずっと一緒にいられるものだと思っていた。
  4. 冬、そしてカノジョはいない。クリスマス・イブの夜、喪った哀しみにくれて泣きながら歩くひとりぼっちの夜。銀座四丁目の交差点には幸せげなアベックや家族連れがたくさんいて、上でも眺めるほかしょうがねえや。
順当に考えれば、春夏秋の幸せを失ってしまった君がかつてを思い出して泣いている歌なんだ、これは。被災地に向けて歌うようなもんじゃねえ、なに考えてんだNHK(「国歌にしよう」という香取慎吾くんには異論はないが)。
上に「銀座四丁目」と書いたのにも理由がありましてね。

  1. 山下達郎『クリスマス・イブ』という歌があります。必ず今夜こそ言えそうな気がすることがあって彼女を待っているのだが、きっとこないだろうなあ、といった歌です。これがマリオン前あたりの話。

  2. そして来なかったカノジョを、楽しかった季節を思い返しつつ泣きながら帰るのが『上を向いて歩こう』。

  3. T.M.Revolution西川貴教『Burning Xmas』というのはアパートの自室でいちびっていたら知り合いのカノジョが遊びに来て、けっきょく押し倒してしまいましたがどうしましょう、という内容をものすごく壮大に歌いあげた傑作なのだが、これがつまり『上を向いて歩こう』の続き。
僕にとっては、この3作がまとめてひとつのストーリーを構成しているんですよ。時系列? そんなの関係ない、僕が納得すればいい話なのですから。
いい話もちょっとはあって、たとえば山下達郎『クリスマス・イブ』から『上を向いて歩こう』に話を繋げる以上、『上を向いて歩こう』においてのカノジョが死んでしまっているという解釈は成り立たない。しょうもないことを言えば、T.M.Revolution西川貴教『Burnin' Xmas』を尊重すれば、君もまだけっこう元気なもんではないか。

こんな感じの操作はよくやっていて、岩谷時子『ラストダンスは私と』をストーカーの歌として演奏するとか、逆にPOLICE『Every Breath You Take』を「介護者の歌」として演奏することも可能なわけです。ここに変拍子とか変小節とか変調とかを交えているものだから、「元歌が判らない」とかよく言われるわけだわ、こりゃ(笑)。

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