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徒然草むしり
嘘を! もっと嘘を!


GyaO映画『エア・マーシャル』。
残りあと1個です おーうちさんのリクエストにお応えして。

さきに「最初の3分でダメ」と書いたが、劈頭はリビアでの要害潜入戦。見張りの人とか見張りの犬とかがいるお屋敷にアメリカ軍がゲリラ形式で潜入するんだが、せっかく夜間に侵入するんだから白人君たちは顔に靴墨くらい塗っとけちゅうの。それで侵入してから庭で懐中電灯を点けて地図とかターゲット人物の写真とかを確認している阿呆なアメリカ人ども。この時点でやる気(観る気)をなくすわな。いざターゲットの居室に入ったと思ったらまたモタモタして敵にライフルとか拳銃とか撃たれて、無血でターゲットを捕獲する予定だったものがいきなり室内乱射合戦になって敵味方双方ともあらかた死んでやんの。あ、3分経った。というわけでこのときのリビアの人たちがアメリカへの復讐に立ち上がるって、単に潜入部隊が間抜けだっただけの話だ。そしてその場にいて大間抜けな作戦を立案遂行した大間抜け野郎が今回の主人公って、盛り上がるわけねーだろ。

おーうちさんすまねえ、あとは自分で観てくれ。

嗚呼、『スネーク・フライト』とか『プレスリー vs. ミイラ男』とかが観たい。「!」つけて言ってやる、嗚呼、『スネーク・フライト』とか『プレスリー vs. ミイラ男』とかが観たい! 観たい! 観たい! 観たい!




そもさあ、つまんない映画のつまんないところを文書にして提出するのって、難しいんだよな(自分で言い出したことだが)。

そうだなあ、最近はそんなこともないみたいだけど、所謂「Vシネ」(ビデオスルーを前提として撮影された映画のことね)ではけっこう「はい、こんなんできました」っつってどーでもいーようなものを観せられていたような気はする。要するに「作り手の根性乃至意志」がかけらも感じられないようなものがよくあったようには思う(そこから抜け出してきたものがヒット作でもあり)。そのちょっと前は火曜サスペンス劇場あたりでベテランのデカ兼鉄道オタクが「うむ、これは二両編成のなんたらだから江の電に違いない」とか犯人の電話の背景音をもとに絶妙の推理で断言したら次のシーンでは江の電の新型車輛が走っていて腰砕けとかいうくだらないものもあったが(桃井かおりはスタッフに「こんなんどーでもいーすよ」と言われて『霞夕子』を降りたのだそうな)、でも最近はさすがにそんなこともなく。と思っていたらまだアメリカにいたよ。シーンを並べていれば映画が作れて、脚本は時系列を追っていればよくて、特撮は予算内に納めておけばオッケーで、納期に完パケすりゃ仕事した気になっているような奴が(最近観たものだと、『激突!』と『ジョーズ』は将にこの逆を行っていたような)。

今回については、要するに(好きな表現ではないのだが、「要するに」としか言いようがないだろうこんなもん)「小競り合いの連続」なんだよね。はい、中東のほうのテロリストがハイジャックする映画を作りましょう、それに対抗するのはアメリカの軍人ですね。以上終わり。あとはどうでもいいやと思ってるでしょう、作った人たちは。

今となっては食い尽くされた感のある『ダイハード』だって、微力ながらも犯人一味を苛立たせようというマクレーンの工夫はあり、心理戦もあった。ギャグとしか思えない『エアフォース・ワン』だって、己の立場を省みる大統領というウリはあった。『プラン9』だって、サブテキストを駆使するまでもなく「ああ、一所懸命やってることはやってる、のだろうな」くらいの感想は持てた(だから未だに一般市場で観ることが可能であるわけで)。今回に関しては、なにこいつ。ストーリーは行き当たりばったりなうえに演出はヘタクソ、ふだんは安い特撮には寛容な僕でも特撮にまで腹が立ってきたぞ(不寛容)。そも飛行機に乗ったことないだろあんたら>>製作陣。

そしてラストが、たしかつまんなかった『大空港』シリーズのパクリで、カレン・ブラックだったかのブサイクなフライト・アテンダントが必死こいて着陸したところのオマージュ。オマージュというかパクリ。もっと面白い話がいくらでもあるだろうに、どうせやるなら『コン・エアー』やれよ。どうせあらかた機内セットなんだから、どこにでも行けた。なんならハイジャックしてる奴に「ラスベガスへ行け」って一言言わせれば済んだ話だ。

  • だいたいさあ、国際線の機内でいきなり鉄砲ぶっ放すか? と思ったら、破れた窓から吸い出されそうになった奴を人力で引き戻していたから、意外と低いところを飛んでいるようです。
  • いくら低いところちゅうても、国際線の貨物室に潜り込んでるやつがいるぞ(普段着で(笑))。相当低いところを飛んでいるようです。
  • おそらくは北極上空を巡行中の機内からの携帯電話がアメリカ国内とつながる。そういうサービスがあるのかしら。
  • テロリストに隠れてこっそりケータイをいじってる奴のボタン操作音が、きっちり聞こえる。お前はテレビドラマか。
  • 最初のハイジャック道具が、サングラスのツルに仕込んだナイフ。見つかるってば。
  • 格闘アクションがぜんぶ「遅廻し」。クンフーやるなら早廻しだろうがよ、ほんとにいろいろ盛り上がらないこと夥しい。
  • アメリカ人がムスリムに向かって「狂信は信仰とは違う」と言う。あのね、狂信じゃない信仰なんて意味ないでしょ? このあたりはアメリカ人が自信の自由主義信仰を疑っていないことのメタファとして聞いておきましょう。もちろんアメリカン・バカの総意として、こんなこと言ってるから戦争が終わんねえんだよという話として。
  • 言っても詮ないことながら、ヒロインがブサイク。
  • 言っても詮ないことだが、主人公が「正義は勝つ」とか言い出す。そんなこと信じてる奴がいまどきどこにいるよ。
  • 言っても詮ないことながら、旅客機が熱追尾式のミサイルを堂々と避ける。避けたらミサイルはもう寄ってこない。
  • 死体を跨ぐな。ましてや踏んづけるなよアメリカ人。てめぇらほんとに。
  • テロリストはカノジョとチューしているうちに人質に逃げられました(本当)。
  • 人質解放のとき、特に指図されたわけでもないのに爺さん婆さんと壮年層が先に出て、ガキは最後まで残りましたとさ。そのガキが最後に大活躍するわけなのだが。
  • そのガキ大活躍というのが、この映画で唯一伏線のあった部分でな。そういえば離陸時にガキがMacintoshでフライト・シミュレータで遊んどったわ(そんなときにそんなものを使って遊んでいてはいけません)。
いざ着陸という段になって、最初っから車輪が出ているのもいい味を出していますね。なめとんのか。
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コメント
この記事へのコメント
ご苦労様でしたー
むー、そーまでいうなら、仕方がない(ナニがだ)。とりあえず週末にでも観てみる。
ラーメンもそのうち(体調のいいときに)、チャレンジしてみるわ。

ちなみにIMDbで調べた限りでは、どーやら監督のAlain Jakubowiczっつー人は
エディターが本職みたいで、監督作品は3本しかないみたいね。

……って、監督した全作品、自分で編集もしてんのかよ、おい(笑)。
これって、ギャラは別々にもらえてるのかなー。他人事ながら心配だったり(笑)。
2007/06/06(水) 00:06:56 | URL | おーうち #Hble4PXk[ 編集]
時間ができたんで
観たよ。
リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明して以来のムダ……とまでは
いわないけど、脱力したよ。こりゃ、脚本がタコだ。

「なんとかコフ」とか「なんたらレフ」とかいう名前のスタッフがやたら多い
と思ったら、撮影はブルガリアで行われたのね、この映画。だから出発
地点が東欧なのか、と納得したよ。

「政府」という製作出資者を失った旧共産圏の映画産業が絶滅の危機
に瀕したあげく、安価で外国映画の製作を請け負うようになった……
という流れの中で作られた一本ってことザンスね。

いやー、そーゆー大きな「歴史の波」に思いをはせつつこの作品を観ると、
なにかしら感慨深いものが……何もないっすね、やっぱ(笑)。
2007/06/06(水) 22:04:56 | URL | おーうち #Hble4PXk[ 編集]
一人じゃないって。
素敵なことね。

『レプティリカス』のビデオも持ってるけど、観る?(笑) コペンハーゲン市民総動員だっ!
2007/06/06(水) 23:05:49 | URL | りびけん #GAkJEmLM[ 編集]
うん
ヤクルト観る観る。

お返しといっちゃなんだけど、デイヴィッド・リンチの新作の試写券が
手に入りそうなんだけど、観る? 6月中に何度か試写やるみたい。
2007/06/07(木) 18:53:09 | URL | おーうち #Hble4PXk[ 編集]
観る観る
『マイク・ザ・ウィザード』と『火星人地球大襲撃』も付けよっか(笑)。

フィラデルフィアの知り合いのとこに遊びに行ったら、町の図書館でデビッド・リンチ展(画のほうの巡回展)をやっててな。行った先はふつーのご家庭だったもんだから「なんでそんなものを観に行くのだ」とか言われつつニコニコしながら観にいったよ。

ついでにロッキー階段美術館でデュシャンの「全裸女性絞殺死体」も観てきた。なんか日本人の印象を悪くしてきたかもしれんがそんなこたぁ知らん。
2007/06/07(木) 20:18:53 | URL | りびけん #GAkJEmLM[ 編集]
んじゃあ
手元に届いたら連絡するわ>試写券
3時間の長尺だから、オシッコしてから望むように(笑)。

フィラデルフィアっつーたら、「イレイザーヘッド」発祥の地ですもんな。
あそこの市民は、亀有の両さん像みたく、街にあの赤ん坊の銅像を建てても
罰は当たらんと思うぞ。

実はブルガリアと同様に、ポーランドの映画産業も一時は危機に瀕してさ。
「エア・マーシャル」と同レベルの安作りでスカタンな外国資本の映画を山盛り
作ってるうちにマトモな映画の作り方を忘れそうになって(笑)、これはイカンと
いうことで慌てて映画祭やら何やらで復興させようとしてるんだけど、その映画
祭にリンチ呼んだりしてんのな。個人的には、それもどーかと思うんだが(笑)。

で、そのとき、リンチがポーランドの映画学校の生徒達と一緒に実習で製作した
映像が、この新作のなかで使われてるらしいのよ。

……というわけで、「エア・マーシャル」と話がつながった。
よかったよかった(笑)。
2007/06/08(金) 00:01:38 | URL | おーうち #Hble4PXk[ 編集]
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