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徒然草むしり
嘘を! もっと嘘を!


小さな齟齬:耳が聴こえないと電車が動けません。
さして面白い話でもないのだが、書いておく。

DVD『東西線』 20:45くらいだっただろうか、営団地下鉄東西線落合駅のプラットフォームを歩いていたら、アナウンスがある。津田沼行きの車輛が閉扉状態の停車中で、

「白線から下がってください」、

「白線から下がってください」、

「白線から下がってください!」

って大事なことだから3回言いました、というわけでもなかろうな。


見るとすぐそこの車輛扉際で、車内のお嬢さんとプラットフォーム上の爺さん(失敬)がにこやかに手話で会話している。口話もついてますね、そんなわけで爺さんのほうが近づくから「白線の向こう側」に立ってしまう、白線のあっち側に人が立っていたら車輛は出発できない。爺さんにはアナウンスは聞こえていない。いちばん近くにいて事情が判っているのは俺ひとり、らしい。

爺さんの右から近づいて、右肩に手をあてて、左手はなんとなく拝む形をつくりながら右手で爺さんの身体を後ろへ押し下げて、「下がってください」と言いながらなんとなくそれっぽいアクションはとってみる。なるべくにこやかにていねいにやった心算なのだし幸いにしてサングラスも外していたのだが、かなりはっきりした発音で「なんだあんたは」とは言われたなあ。ってことは中途失聴のかただが、手話もできるってことは失聴歴も長いんじゃねえのかなあ。電車に乗り馴れていらさらないのだろうか。そんで爺さんてば怒ってはりましたが、まあいきなり丁寧でもなんでも肩を押されりゃ怒る気持ちも判らんでもないし、だからってほっといたら交通事故なわけだし、しょうがねえや。とりあえず俺のせいじゃねえよ。

そんなわけで俺のせいじゃないのに爺さんに睨まれているところに駅員さんが走ってきて「発車できないんですよ!」とか言いながら爺さんを強制排除ってな話になって、爺さんは文句ありげな感じで駅員さんのほうに行ってしまったものだからこれさいわいと僕はフェイドアウト。走り去る東西線の最後尾車輛の車掌さんが挨拶してくれたもので、手ぇニギニギくらいの挨拶はしておきました。

西口側の階段のところで振り返ってみたら、プラットフォームのむこうのほうで駅員さんの後を追うように爺さんが歩いているのが見えた。僕の隣で高校生らしき男子がやはり様子を気にしていたもので、「これこれで爺さんどうやら耳が聞こえないようでしたから、誰が悪いわけでもないんですよね」(僕は年下のかたには敬語を使う)といったあたりをとっかかりにちょっとだけ話などする。

ついでに改札口のところの駅員さんに「これこれという事故もどきがありましたが、あの爺さんはどうやら聴覚障害があるようで」みたいなことは伝えておきました。ヒマだったし。プラットフォームのほうの駅員さんが事情を判っておられなかったような風情もあったことだし。全難聴と全要研に喧嘩売られてはいるのだけれども、聴覚障害者と情報保障者が敵というわけではないし(しょうじき言うと連中(あんたや)たいがいバカだなとは思ってもいるし根拠もあるのだが)。


なんか道交法認定マークらしいんだけど、俺が知らないだけなのこれ? さてどうしたもんか。というかどうにかする気があるかどうかは別として。

新宿高室屋の開店当時の点字ブロックがかつての開店当時は「黒字にグレー」であったことを僕は知っている。眺めながら「あーあ、やっちゃった」と思っていたら半年くらいもしたら「黒字に黄」にすげ替えられていた。ちゃんとした企業はそういう工夫と改善をしてくれているわけだし、営団地下鉄もちゃんとしていることに僕は期待する。姐ちゃんと手話してる爺さんをどうやって白線のこっちがわに引き戻すのかを僕は知らないが、なんとかすんでしょ。

僕のほうとしてはいまさら手話とか覚える気もないし、たとえばマカトン法あたりだったらすぐに習得できそうな気もするのだが(習得できなかったらそれはそれでいろいろ問題があるだろうし)、それが斯界に通用するのかどうかもよく判らないし、まあほっとくか。

爺さんについては悪く言うつもりもないのだけれども、やはり「構内アナウンスが聞こえない」のは仕方がないとしても「構内アナウンスが聞こえないという危険性がある」くらいの認識は持っていただきたいものだなあ。「おっさん危ねえよ」って注意を促してるのに怒られたんじゃ立つ瀬がないとは思う者です。俺はいいけどよ、度重なれば「協力してくれる人がいなくなる」わけだからさ。たとえばこんな感じ

とりあえず、事故がなくってようございました。



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