
もともとアジモフは好きでよく読んでいるのだが、主演がウィル・スミスっていう時点で「どうせ」という気分があってですね。そんなもん、俺様アクション・バカ映画に仕上がってんのに決まってんじゃん。カシアス・クレイを演じているうちに本当に自我が肥大しちゃって、雨降りシーンで「俺に水道水をかける心算か?」っつってエヴィアンを降らせたハイパー・セレブリティだぜ。あんたの自宅の水道廻りをこんど見せてくれってなもんで、期待するにしてもベクトルは「バカなほう」に向かうのは当然でしょう。いや、『ID4』で見せてくれた「素手で宇宙人を殴り倒す」という芸は、大好きなんです(関係ないけど、デ・ニーロとエディ・マーフィの『ショウタイム』に出資しているウィル・スミスさんというのは同一人物なのだろうか。いや、どっちでもいいんだけど)。
ごめんなさい。SF映画として、充分に楽しめました、これってばいい映画です。何日会わなかったら刮目するんだっけ、ってなんか格言があったようなのはよく忘れたんだけど、あるいはフロックかもしれないのだけれども、ここまでやってくれたらもう「ぎゃふん」ですよ。
お薦めするので、本編は観てください。
ロボット三原則についてはひとことしておいたほうがいいのかしら。
- ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。但し、与えられた命令が第一条に反する場合は、この限りでない。
- ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己を守らなければならない。
本作について誤解があるかもしれないとちょっと思っちゃったもので書いておくと、あのi-MACもどきのキモいロボット連中が暴走したかに見えるのは、その「三原則の混乱」の先を提示したものと思えたんですね。左腕がアレなのも、軽くそのへんに目配せしてみせたものなのかもしれない(たぶん違うけど)。
いちおう吉例により苦情を出しておくと、
- カルヴィン博士が婆さんでないのが気に入らない。しかも「社長のパシリ」なのがもっと気に入らない。原作に沿っていないことに苦情を出す自分がもっと気に入らない。
- 倉庫でなんで見つかるのかが判らない(黙ってじっとしてりゃあ頭の上を通りすぎるものを)。
- 子猫とウィル・スミスの走行速度が同じ。
- MACのあとのWindowsが、そしてLINUXとかあといろいろ、プラットフォームは多数存在する。「三原則がOSに組み込んであるから」こそ担保されていた「ロボットの安全性」は、アシモフの全盛期以後に実は廃れているんですね(自社内で原則を崩してしまっている映画はもっと気に入らないのだが、設定をいじっているので堪忍してやる)。
- システムに齟齬があってもそれを認めず「なかったことにする」のはUSRも全難聴も全要研も同じ。「なかったこと」にしちゃうから反省も改善もなされない、而して同じことを繰り返すんだな、バカめ。
- 45%と11%だったとして、それが俺とサラだったとして、だったらサラを選ぶだろう、俺も。そのために生きているのが俺だし、あるいは俺なんかどうなってもいい。機械なんかに判定されてたまるもんか。
ところで、11月3日に借りたビデオの返却期限が11月10日なのだが、ビデオRは9日にいったん閉店するわけなのだが。どうすりゃいいのかしら(まあ、僕はたぶん9日に返しに行くのだが)。
あとはのんべんだらりとお掃除などして、お昼前に病院通いの母を新宿まで迎えに行く。こういうときにNEETって便利だな(笑)。それでなんでか目が見えない*という母の付き添いで京王デパート内をうろうろしてちょっと買い物したりなんかして。
- *
- どうやら糖尿の検査かなんかで散瞳薬でも使ったのだろうなあ、サングラスでもかけときゃいいのに。
ところで俺が丸刈りの着流しに雪駄にサングラスの判りやすいヤー公風味だったのは、まあいいか。
京王デパートの上のほうで高いばっかりで大して美味くもない蕎麦を手繰ってから、タクシーで上落合は妙正寺川沿いの革細工屋さん(正確には造り靴屋さん)に、ミネソタかどっかで買ってきたコートのリフォームを頼んでおいたのを引き取りに行く。さすがにいい仕事されてますな、ってけっきょく荷役は俺かよ(笑)。まあそのために出てきたわけではあるのだが、コートくらい着てけやと思わんこともなかったりなんか、まあいいか。
牡蠣スープの続きを作るべく、生協で生牡蠣とパセリとついでに韓国産キムチ(いちばん怪しそうなやつ)を買い込んで帰宅。あとはお掃除の続き(NEET続行中)。